メッセージ

聖路加国際大学 公衆衛生大学院・臨床研究支援ユニット、NPO法人ひまわりの会 顧問星野 絵里

写真

親になると赤ちゃんが生まれたその日から、その子の写真をたくさん撮ると思います。
とても便利になった昨今、携帯電話やスマートフォンで撮影した写真は、その子への愛情や、慈しみにあふれているお母さんの目線で赤ちゃんをとらえた、大切な観察記録です。是非、赤ちゃんの笑顔を撮る感覚で、ときどき、赤ちゃんのうんちも撮ってもらいたいと思っています。なぜなら、赤ちゃんのうんちの色は健康のバロメーターでもあるからです。私たちの研究チームは、便の色の情報から「胆道閉鎖症*」という新生児の病気を早期発見できる仕組みを開発し、「Babyうんち」というアプリとして発表しました。このアプリは、お子さんの便を撮影すると、病気の可能性を自動評価します。iPhoneをお持ちの方であれば、誰でも無料でお使いいただけます。
これからも、ひまわりの会のサポートをいただき、多分野の専門家の知識と最新の科学技術を応用し、子育てを頑張るお母さんの生活に寄り添いながら、赤ちゃんの健康サインをキャッチできる、科学的根拠に基づいた仕組みを作っていきたいと思っています。

*胆道閉鎖症は、生まれつきまたは生後間もなく、肝臓と十二指腸をつなぐ胆管がつまって、胆汁が腸に流れなくなる疾患で、新生児の約1万人に1人が発症するとされます。放置して肝硬変になると高い確率で死に至る難病です。致命的にしないためには、生後1〜2カ月以内に発見し、外科手術を受けることが重要とされています。

他のメッセージを読む

メッセージTOPへ